機械エンジニアを夢見る現場作業員の雑記帳

夢破れた機械設計屋(CFD屋見習い修了、元現場作業員)がただ書き散らすだけ

基本情報技術者受験記

先日、受けてきましたので、感想等を書いておきます。

資格概要

情報処理推進機構(IPA)が実施する、IT系資格の中で日本では最もメジャーな情報処理技術者試験の中の1つです。情報処理技術者試験はたくさんの区分があるのですが、基本情報技術者試験情報処理技術者向けの基本的な知識・技能が問われます*1。ITを使ったシステムを利用する側ではなく、作ったり、保守する人を想定した試験ですね。その中で最も簡単なランクの試験になります。ITエンジニアとして会社に入った新入社員さんが会社命令で取るということもあるようです。

受験理由

現在、私は機械設計の技術者として働いています。最近、IoTやDXといった情報技術を使って、もっと良いサービスをつくろうという流れが、機械業界でも主流となりつつあります*2。必ず、機械が情報技術とつながる世の中が来る、そうなると情報技術の知識も必要になるなあということで勉強したいと思い、モチベーションの1つとして受験することにしました。というのが表向きの説明です。

実際は学生の頃から情報技術自体には興味があって、取ろうと思って数回申し込んだものの、受験せずに受験料を無駄にしてしまっていたので、いい加減取らねば、というところです。

試験勉強法

参考書は定番のキタミ式を買いましたが、私には簡単すぎました。ただ、私は自作PCを組んだり、学生時代にスパコンで研究するタイプの理系でしたので、ちょっとした下地があったため簡単に感じたのかと思います。あまりITに詳しくないという方はキタミ式が非常におすすめです。

過去問演習は間違いなく基本情報技術者試験ドットコムさんが最強です。

www.fe-siken.com

コロナ禍でも一切、在宅勤務が認められなかったので*3、通勤時間に気が向いたらポチポチするスタイルで勉強しました。問題を解いてみて、苦手な分野を中心に参考書を読んで知識を入れました。 総勉強時間は通勤時間を含めて50時間程度でしょうか。

午後試験の選択はデータベースだけは選択しない、言語は表計算一択としました。SQLを扱ったことがないので、データベース分野は午前が解ける程度の勉強で午後は撤退しました。言語はPythonという手もありましたが、過去問がないという点に不安があったので、表計算を決め打ちで解くことにしました。 あまりいないかと思いますが、機械系の方は同じような選択肢になるかと思います*4

試験当日

基本情報技術者試験は数年前からCBT試験になりました。CBTは任意の時間に受けられる利点はあるものの、基本情報の委託先のプロなんちゃらさんの場合は試験会場が雑居ビルの場合が多く、環境がしょぼいです。私が受けたときも、明らかに照度が足りない&窓が開いていて外部の雑音が聞こえるといった状況でした。環境は悪いですが、来年からは通年のCBT試験となるようで、好きな時間に受けられるという意味でCBTは良いかと思います。ただし、人気の受験地・時間帯はすぐに埋まるので、申込は早めにした方が良いと思います。

あと、受けたらすぐにメールで成績が届きますので、精神衛生的にも良いかと思います。午前・午後ともに時間はたっぷりあるので、焦らずゆっくり解けばいいかと思います。むしろ、長すぎて集中力が持たなくなるのが問題かもしれません*5

試験費用

受験手数料:7,500円
テキスト: 2,310円
(無駄にした受験手数料15,000円*6ぐらい)

受験手数料は最近値上がりしました。まあ、仕方ないですかね。
個人的にはこの程度なら許容範囲内かと思います。

所感

ITを使って商売する人なら最低限必要なんだろうなあと思う知識が問われていると感じました。 IT関係の技術者ならこれだけでは厳しいのかなあと思うので、IT関係のお仕事では新入社員さんが受験する感じなんでしょうね。機械系技術者でも設計はCADやCAEを使い、設計計算には簡単なプログラムを組むことが必要になったりしますので、このぐらいは必要なのかなと思います。あと、インターネットの仕組みを知らずして、それを利用したサービスをつくるのは無理ですしね*7。そういう意味でも、機械系技術者にもおすすめです。

個人的には忘れないうちに、次の応用情報技術者の取得を目指したいと思います。 純粋にこの分野が面白いので、勉強したいなあというのが理由です。

*1:https://www.jitec.ipa.go.jp/

*2:自動車はかなり先行的に進んでいる感触で、その流れがやっと他の機械メーカーにも波及しつつある感じです

*3:現業側の反発が強く、スタッフ職の在宅勤務頓挫したと小耳にはさみました。本社・支社などはかなり導入が進んでいるみたいです。

*4:機械系のプログラミングの講義はFortranであることが多く、数値解析系の研究もFortranが主流。制御系や実験流体の後処理はたぶんCやC++が主流。

*5:私は頻尿なのでそちらも心配でした。

*6:昔は5,000円/1回ぐらいなので3回分です

*7:機械系の技術者だけが集まってこういうこと考えて、しょうもないサービスが爆誕するのを見たことがあります…。

Linux構築メモ(OpenFOAM, Fortran)

久しぶりにLinux(ubuntu)を低スペックのサブPCに入れましたので、そのメモです。 Fortranのプログラム書いたり、openFOAMをいじる用にしようかなと思ってます。 あとLinuxでしかできないことが出てきたら使いたいなと。

OSはUbuntu 22.04 LTSです。
Redhat系はあまりいい思い出がなく、苦手なので。
手持ちのWindowsマシンにイメージをダウンロードしてRufusでUSBに書き込みます。

Ubuntu
Ubuntuの日本語環境 | Ubuntu Japanese Team

Rufus
「Rufus」ブート可能なISOイメージファイルをもとにブータブルUSBメモリを簡単に作成 - 窓の杜

Desktop版を入れますが基本的にはメインPCからのSSH接続で使う予定です。

とりあえずの初期設定

パッケージの更新

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade

Vimを入れる(好きなエディタを入れましょう*1

$ sudo apt intall vim

sshのサービスを開く

$ sudo apt install openssh-client

インストールすれば自動でSSHが動く。確認は以下。

$ sudo systemctl status ssh

ホストネームは以下で確認できる

$ hostname

ポートはデフォルトで22番が空きます。
ここでメインのWindowsのマシンからSSHログインできます。
Win側のマシンからはtera termでSSHを使いますがどうやらWin10に標準のクライアントもあるみたいですので、好きなものを使ってください。
外部に公開する場合は特にですが、各自でセキュリティ対策は実施しておいてください。

openFOAMとFortran処理系を入れる

openFOAM

英語になりますが、入れ方は以下に書いてあります。
Download v10 | Ubuntu | OpenFOAM

$ sudo sh -c "wget -O - https://dl.openfoam.org/gpg.key > /etc/apt/trusted.gpg.d/openfoam.asc"
$ sudo add-apt-repository http://dl.openfoam.org/ubuntu
$ sudo apt update
$ sudo apt install openfoam10

環境変数の設定は.bashrcの中に以下を書き込みます。

source /opt/openfoam10/etc/bashrc

これで再度ターミナルを立ち上げると、openFOAMの環境変数が読み込まれます。

テストケースを回してみます。
今回はpitzDailyというステップ流れの二次元流れの計算を試してみます。
適当なフォルダにチュートリアルをコピーします。

$ mkdir ~/foo
$ cp -r $FOAM_TUTORIALS/incompressible/simpleFoam/pitzDaily ~/foo/

ディレクトリの中のAllrunを叩けば計算が開始されます。

$ cd ~/foo/pitzDaily
$ ./Allrun

計算結果をParaviewで読みこめる形に変更します。

$ foamToVTK

VTKというディレクトリが生成されますのでこの中の拡張子vtkのファイルをwin機に持ってきます。
私の環境では計算の最終結果は287ステップでしたのでpitzDaily_287.vtkをWinSCPで転送しました。
これをParaviewに読ませて速度を表示させると以下の図のようになります。

pitzDailyの結果

Fortran処理系

Fortranもいろいろありますが、まずは簡単に入るgfortranで十分でしょう。*2

$ sudo apt update
$ sudo apt install gfortran

と思ったら、もう標準で入ってましたね。
こちらもテストケースをやってみましょう。

program main
    implicit none
    write(*,*) "Hello, World!"
end program main

コンパイルして実行します。

$ gfortran -o hoge test.f90
$ ./hoge

ちゃんと動きましたので今回はここまで。

*1:Vimはおすすめしません、ubuntu標準のnanoで十分かと思います。

*2:ほかに知りたい方はhttps://fortran-lang.org/en/compilers/

計算力学技術者試験受験記(熱流体・燃焼1級)

遅くなりましたが、計算力学技術者の熱流体分野・燃焼流1級を受けましたので、感想等を書いておきます。

計算力学技術者とは?

日本機械学会が主催している計算力学に関する知識を問う認定試験です。
計算力学っていうのはシミュレーション*1のことですね。

世の中にはいろいろなシミュレーションがありますが、
主に機械設計などで使われるシミュレーションに焦点を当てた資格になります。

計算力学技術者の詳細はリンクを覗いてみてください。

https://www.jsme.or.jp/cee/www.jsme.or.jp

試験分野

計算力学技術者には3つの分野があります。
これらの分野ごとに2級・1級・上級アナリストの3つの級が設定されています。

さらに、私が受けた熱流体1級は3つの専門分野に細分化され、1つを選んで回答します。

  • 単相流(自動車の車体周りの流れ、配管を流れる水の流れなど)
  • 混相流(COVID-19の飛沫解析や海の波、沸騰現象など)
  • 燃焼流(エンジンの燃焼など)

詳細は機械学会の計算力学技術者のHP*2をご覧ください。

なんで燃焼流を受けたのかというところですが、燃焼流が好きだからですね。頭おかしいので。*3
あと、今の会社では関わっていませんが、学生の頃は専門が燃焼流の解析関係でした。
カーボンニュートラルが叫ばれる現在、産業としてはもうオワコンなんですけどね…。

合格基準

合格基準は試験案内から引用すると「正解が5割(75点)以上、かつ7割以上正解が3分野以上、かつ全問不正解が2分野以下」とのことです。
燃焼流の場合は燃焼の基礎理論で3分野、燃焼の解析で4分野、解析結果の検証で合計8つの分野*4になります。それぞれの分野で5~10問程度の問題が出てきます。

合格率は熱流体1級で50%ぐらいです。

試験勉強法

結論:問題集を買ってやり込む。

問題がマニアックなので、大学(院)で専門にしていても問題集なしで突破は難しいと思います。
ただ、問題集と同じような問題が多いですし、問題集丸暗記で当落線上ぐらいの点数が取れるかなあと。

ただ、理解して解こうとすると求められる知識レベルはそこそこに高いです。
Flue〇tやSta〇-CCM+で解析したことある程度では、結構勉強しないと厳しいですね。
ソルバーの理論解説書を読めるぐらいの知識は必要になるかなあと思います。 解析のコード書いたことある人ならばちょっと勉強すれば何とかなると思います*5
私は1か月ぐらいかけて、合計30時間ぐらいかけて勉強していろいろ思い出しました。

一応、問題集以外で私が使った主な参考書を挙げておきます。 だいたいは問題集の参考書籍に入っていますね。
日本語の燃焼解析の本がほとんどないのがつらいところです。

  • 新岡, 河野, 佐藤編著「燃焼現象の基礎」
    これか水谷先生の燃焼工学のどちらかは読む必要があるかと思います。
    基礎理論3分野を解くのに必須となります。

  • 日本機械学会「燃焼の数値計算
    日本語で書かれた希少な本ですが試験対策にはあまり使わず。
    2~3章は学生の頃にお世話になりました。

  • H.K. Versteeg, W. Malalasekera 「数値流体力学 第二版」
    日本語訳してくださった方々に感謝。
    燃焼は最後の方にちょこっとですが、FVMを理解するには良い本だと思います。

  • Warnatz, Maas, Dibble「Combustion: Physical and Chemical Fundamentals, Modeling and Simulation, Experiments, Pollutant Formation」
    物理や化学の方程式からどうやって燃焼現象の数値解析へモデリングしていくかに重点を置いて書かれた本です。
    学生の頃は非常にお世話になった一冊ですね。

  • Poinsot, Veynante「Theoretical And Numerical Combustion」
    燃焼の数値解析について網羅的に書かれた本。
    DNSからRANS、LESまで燃焼の数値解析手法が解説されています。
    最新の第3版は一般の書店には流通していません。
    直接著者のページから購入すると55ユーロで手に入ります。*6

試験費用

試験費用 ¥15,400
登録手数料 ¥3,300
問題集 ¥5,500

非常に高額です。正直ぼったくりに近いと思います。

所感

機械設計の素晴らしいところの1つに設計のための資格がいらないという点があると思っています。
建築・土木なんかは資格を持った人が設計・施工する必要がありますが、航空機や自動車などの設計に資格は必要ありません。 参入障壁が低く、誰でも機械を設計して製造、販売できるところが機械系の良いところです。

一方で、最近は機械設計にCAEが多用されるようになっています。 CAEは非常に強力な設計援助ツールですし、CAEの導入によって導入前ではできないような設計ができるようになりました。 しかし、CAEというのは間違った使い方すると、誤った答えを出してしまいます。 この可能性を少しでも小さくするためにも、技術者はCAE理論の基本を押さえるべきではないかと思います*7

この試験はCAEの基本を押さえるには良い試験だと思います。 まあ、コスパは大変悪いというのが難点ですので、 会社から受験費用を出してもらえる方は受けてみるといいのかなと思います。

*1:実現象をコンピューター上で再現すること

*2:https://www.jsme.or.jp/cee/examinee/outline

*3:個人の見解かつ偏見ですが、燃焼関係の人って頭のネジ外れた人が多いです

*4:それぞれの分野の詳細は問題集を見たほうが理解が速いです。

*5:私がこのパターンです。

*6:おそらく流通に乗せないことで格安で提供してくださっているのだと思います。

*7:特に最近のソフトは簡単に計算が流せますし、ちょっとのことじゃ発散しないので本当に注意が必要です。

2種冷凍機械責任者受験記

11/14に2種冷凍機械責任者(2種冷凍)を受けてきましたので、感想をば。  

受験理由

2種電工の情報を集めていた時に知ったのですが、   世の中にはビルメン4点セットというものがあるみたいです。 そのビルメン4点セットというのが  

の4つであるそうです。

ビルメンにはなるつもりもなく、会社で必要なわけでもないのですが、 4点セットをそろえたいという謎の欲望から冷凍機械責任者を受けることにしました。

高圧ガス資格は既に乙種機械の高圧ガス製造保安責任者を持っているので、 甲種に挑戦してもよかったのですが、一部記述式で難易度も結構高そうなので、今回は見送りました。

3種ではなく2種にしたのは合格率があまり変わらないというところと 機械系出身だから何とかなるだろうという自己の過信によるものです。

試験形式

2種冷凍では以下の科目の試験となります。

  • 法令 20問 60分
  • 保安管理技術 10問 90分
  • 学識 10問 120分

合格ラインは6割、科目合格なしの1発勝負です。 どの科目も開始30分後から退出可能です。

なお、保安管理技術というのは冷凍機械の維持・運用に関する技術的な知識、 学識が冷凍機械を理解するのに必要となる工学の基礎知識みたいな感じです。

本当に資格が欲しい方は2.5万円ほどと3日間を高圧保安協会に捧げれば、 講習を受けることができ、本番の試験よりちょっと簡単な検定試験に受かれば保安管理技術と学識が免除になります *1

全科目受験者の合格率は一部の年を除き30%程度を推移しているみたいですが ところどころ難易度が跳ね上がる年があり、合格率が15%程度の年があります *2

出来れば難化する年には当たりたくないですね…。

勉強法

学識→保安管理技術→法令の順番で勉強していくのがよさそうです。
学識をきちんと理解していないと他の分野の理解が進みませんので学識をきっちりやっておくのが良いかと思います。 特にp-h線図と冷媒の状態をきっちり理解するのが合格への早道かと思います。

使った参考書は以下の通りです。

教科書

www.ohmsha.co.jp

参考書

www.natsume.co.jp

問題集

www.ohmsha.co.jp

頑張れば教科書だけでも突破できるかもしれませんが、演習問題はそこまでありませんので、問題集は必要かと思います。 問題集は2種のみが6年分が収録されているので、安く済ませるならこれがベストバイかと。

また、参考書は見開きで左が説明、右側が図解となっており、グラフィカルで理解しやすいので余裕があればおすすめです。 私は辞書のように使ってました。

私はまずざっくり教科書を1週して、あとは問題集をぐるぐる周回しようと思ったのですが、 教科書1週した時点で残り5日となり、問題集は1週+ミスったところを重点的にという感じになってしまいました *3

ただ、学生時代に伝熱の授業*4を取っていた& 保安管理の1割と法令の3割程度は乙種機械の知識がつかえるのでぼちぼちの出来となりました。 まあ、時間が全く足りていないので微妙でしたが、年1の試験ですので受けることにしました。

試験当日

アクセスの悪い大学のキャンパスで試験が実施されました。
どうやら、模試が同じキャンパスであるようで、一緒のバスに乗ってきた 学生っぽい人たちは模試の会場に吸い込まれていきました。

数少ない女性の大半は販売の方へほぼ全員行ってしまい、 一番奥の建物の2種冷凍の会場たどり着くころには、 疲れ果てた顔をしたおじさんに囲まれてました*5。 年齢層は電工2種より高めでしたね。

高圧ガス保安協会の人が同僚と「ここは静かでいいねえ」と笑って話していたのが印象的でした。

保安管理で悩む問題が多く、落ちるならこの科目かなと思います。 法令と学識はすんなりいきました。

学識の計算問題は毎年同じ感じですので、過去問をしっかりやっておけば 落とすことはないかと思います。

数年前の乙種機械でも困りましたが、昼飯を食べるお店も休憩スペースも近くになく、 コンビニで買っておいたおにぎりを寒空の下で震えながら食べることになりました。 本当に寒かったので何とかして欲しいところです。

結果

(2022/01/05)追記
仕事が終わった後に確認したところ、受かっていたようです。
収入証紙を買いに行くのが面倒ですが…。
ボイラー実技講習を受けてボイラー技士の免状を発行すれば4点セットコンプリートですね。

費用

受験料 ¥8,800
参考書 ¥8,910 (参考書①2,640+問題集3520+参考書②2,750)
交通費 ¥1,000ぐらい
免状発行 ¥3,400

全部あわせて¥22,110ですね。
まあ高いですがまだギリギリ許せる範囲ですかね。
学生にはつらい値段だとは思いますが。

感想

最近は冷凍機械責任者が必要な冷凍機も減っているらしく、必要な現場も少ないみたいです。
機械工学の進化を感じますね。

運よく合格しても使うことはない資格になってしまうとは思います。
ただ、冷凍機の大まかな仕組みを知れたのは良かったと思います。
アンモニアが冷媒になるなんて初めて知りました…。
こういう知らないことを(半強制的に)勉強できるのが資格試験のいいところかなと思いますね。

次回は機械保全技能士2級の予定です。 (2022/01/05)更新  機械保全は急な出張が入ってしまいましたので見送りました…残念。

*1:乙種機械でもこの制度があります。検定試験は結構難しいみたいで、前職時代に先輩がサクッと落ちていたりします。 講習で免除になるからこの資格は簡単だというサイトもちらほらありますが、講習も事前の勉強が必須となるようです。

*2:免除者の合格率は80%程度を維持してますので、保安管理か学識が難化しているようです

*3:仕事が暴発してしまいました…会社許すまじ。

*4:試験が鬼のように難しいと噂の先生でした

*5:まあ私もその一人ですが

FP3級受験記

大変遅くなりましたが、9/12にFP3級(資産設計提案業務)を受けてきましたので、記録に残しておきます。

受験理由

30歳が見えてくる年齢になって、人生設計に不安を覚えたから(笑)
仕事や転職を考えて取ったわけではなく、自分の資産形成を考えるための勉強の一環として受験。目標が勉強しない怠惰な人間なので、目標の1つとしてFP3級を設定した感じですね。

試験の形式

午前中に120分(60分で退出可)で50問(○×30問、3択20問)の学科試験、 午後に60分(退出不可)3択の実技試験です。 両方とも6割以上の得点で合格です。 実技と言えども、内容は学科とほとんど変わらないですね。

合格率は7割~8割ぐらいで、難易度としては簡単、危険物と普通自動車の運転免許の間ぐらいでしょうか。

ちなみに3級は受験資格なし、2級は3級所持が受験資格となるそうです。

勉強法

1か月前ぐらいから参考書をぼちぼち始める。
参考書はネット上でもそこそこ評価の良かった「みんなが欲しかった!FPの教科書3級」。

bookstore.tac-school.co.jp

仕事が忙しかったので早く帰れた日を中心に3週間ぐらいで1通り終わるぐらいのペース。 6分野に分かれているので、1分野目が終わった段階から少しづつ過去問をやりました。

絵も豊富で素人にもわかりやすい参考書だったと思いますが、やや説明が冗長で量も多いので、 結構読み飛ばして、過去問でミスったら参考書を読むという手抜きスタイル()で進めました。

また、過去問集は買っていません。
FP3級ドットコムという素晴らしいサイトがあったので、通勤中に気が向いたらポチポチと。 ユーザー登録すると間違った問題だけ復習できるので効率よく過去問演習することができると思います。

https://fp3-siken.com/kakomon.php

これで学科を600問ぐらい、実技はさぼってしまいましたが、50問ぐらいやりました。 正直、過去問演習はこのサイトで十分だと思います。

勉強時間は参考書が10時間ぐらい、過去問演習が10時間の20時間ぐらいでした。

試験当日

試験会場は前職の新人研修をやったところでした。 新入社員相手に人事部長が仕事で徹夜したことを自慢をしていた記憶がありますね。 (仕事で病気になった話が英雄譚になってしまう古き日本企業でした)
閑話休題

試験会場は男女比は半々ぐらい、男性の年齢層の中心は大学生、女性は学生から社会人まで幅広くという感じでしょうか。
今まで受けてきた資格試験の中で一番受験者数が多いような気がします。
ちなみに今まで受けてきた資格試験の中で女性比率が最も高い試験でした(笑)。
業務独占でもないのに結構人気の資格なんですね。
持っているといいことあるんでしょうかね?

学科・実技は両方とも時間はたっぷりあります。
見たことない問題もたまにありましたが、悩みながらゆっくりやっても時間は余ります。 隣の学生っぽい人が結構な勢いで問題を解いていて若さを感じました。

学科・実技ともにわからない問題が数問あり、適当に回答しましたが、8割ぐらいは確実だろうという実感。

結果

まあ、普通に受かってました。 こんなもんかという感じですね。

費用

  • 受験費用 ¥6,000
  • 参考書  ¥1,760
  • 交通費  ¥1,600ぐらい

合計¥9,360ですね。
交通費はお昼を食べるために移動したのでその分も入ってます。 お昼は都市部に行って蕎麦を食ったのですが、関西の蕎麦はなんであんなにまずいのでしょうか… うどんはおいしいのに…。

感想

FP3級は資格としての価値は失っているなあというのが正直な感想です。
一応、技能士の1つではありますが、技能士自体、一定の能力の証明にしかなりません。
その中で、こんなに簡単な試験で認めてしまうのはどうなのかなあと思います。
同じ3級でも旋盤の方がよっぽど難しいかなと思います。

一方で、日本で人生を過ごす人ならほとんどの人が経験する老後や相続、投資について概要は学べるので、私の目的は達せたかなと思います。知らない制度も多くて、結構勉強になりました。

以上、FP3級の受験記でした。

第2種電気工事士取得記

表題の通り、一般用電気工作物(要は普通の家の電気設備)をいじれる2種電工を取得したので、記録を残しておきます。

取得しようと思った理由

  • 家のコンセントをいじりたかった(ガレージとか買った時にいじりたいしね)
  • 機械系メーカーではあるが、適用先が発電用の内燃機関となることも多く、ちょっと勉強してみたかった
  • 現業の人に持っている人が多く、どの程度の難易度なのか気になった
  • 万が一会社がつぶれかけたときのリスクヘッジ

勉強について

本人のスペックとしては、機械系学科出身、本職は機械設計・ちょっと開発。 電気は学部の授業で電磁気と電気回路が1コマずつあった程度(どちらもぎりぎり単位をもらった気がする)。

筆記

これを買って前半部分の解説をざっくり読み、後半部の対策問題を3週ぐらいする。 計算はほとんどなく、暗記するだけなので大した難易度ではないはずだが、 数字の根拠が示されているわけではないのでで覚えにくい。 ひたすら繰り返すのが有効だと思われる。勉強時間は20~30時間ぐらいだった。

www.ohmsha.co.jp

実技

2種電工の本丸はこっち。とりあえず工具と線材・機器を買う。 工具はホーザンのセットを買うのが手っ取り早いと思われるが、 ペンチやスケール、ドライバーは手持ちのものがあったので、バラバラで買った。 素人の場合はワイヤーストリッパーは絶対に買った方がいい。

練習用線材は1回分を買って、足りないと思えばもう1回分買えばいいかと。 あと、埋込取付枠は何度も使っていると壊れるので近所のホームセンターで買い足した(1個60円ぐらいで買える)。

テキストは以下。DVDがついていたみたいだけど見なかった。

www.ohmsha.co.jp

テキストをざっと読んで、ひたすら練習するのが良いかと。 後はyoutubeでコツを上げている人がいるので、それを見つつ練習した。 注意点ですが、実技は学校の机サイズで座って作業するので、それを見越して練習するとよいかも。

とりあえず1日1例ずつ、2週間かけて一通り練習。大体そこまで来ると30分ぐらいで完成させられるようになったので、 まあ、そんなもんでいいかと。なお、そんなに手先が器用じゃない方の人間なんで、器用な人は1周もいらないかも。 あと、練習は時間を測り、終わった後は欠陥チェック、これ大事だと思う。 解体後に使った線材を使ってランプレセプタクルとかの接続の練習という感じで経験を稼ぐ感じですね。 練習時間としては20時間程度。

費用

意外と高いんですよコレ。

  • テキスト  筆記¥2,090 実技¥2,090
  • 工具    ¥10,500 +自宅にあった工具
  • 線材・機器 ¥15,800+¥100
  • 受験費用  ¥9,600
  • 免状費用  ¥5,300

合計 ¥29,590

高い、非常に高い。受験会場でちらほら見かけた学生さんとかはきついんじゃないかと思うが…。 あと免状費用がね、県の収入証紙での納入なんですよね…これがまた買いに行くのがめんどい。

受けてみての感想

まあ、実技の練習は楽しかったかなあと。 資格とっただけじゃ、コンセントやスイッチの交換が精いっぱいで、実務は無理だろうなあという感じですねえ。 こればかりはどの資格にも言えることですが。

あと、電気の勉強という意味ではあんまりできなかったかなと。 世の中の家の電気設備がどのように施工をされているかは勉強になったけど、 理論や発電設備、電動機の勉強にはならなかったなあと感じます。 その辺は電験3種あたりをやらないと出てこないんだろうなあ…。

難易度としてはそこまで難しいわけではなく、気合いを入れて時間を十分かければ行けるかと。 内燃機関とは違い、電気は今後も必要とされていきますし、1種電工なんかは人材不足が懸念されている *1 とのことですので、取得してみてはいかがでしょうか。

2021/09/24 追記

免状が届きました。申請してちょうど1か月でしたね。
手帳タイプで同じ県が出している高圧ガスの免状より一回り小さいものでした。
来年から順次カードタイプに変更になるみたいですね。
手帳タイプも黒地に金色で「第二種電気工事士免状」と書かれていてかっこいいのですが
現場ではカードの方が好まれると思います。

*1:経産省 「電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について」https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/pdf/019_05_00.pdf

久しぶりにプロオケを聞きに行った感想

タイトル通りである。

念のため言っておくが、批判をしたいわけではない。 自分の受けた衝撃を飲み込むために文章を書いている。 自らの意思でチケットを買ってその対価として演奏を聴いたわけで、オケや指揮者に罪はない。

大阪のプロオケの定期公演を聞きに行った。 プログラムが良かったのと、気になっている指揮者が振るとのことで興味を持ったのでチケットを取った。当日、いつもより早く出勤し、何とか仕事をやっつけ、都市圏の勤務地とフレックス制を得ることができたという転職の喜びを感じつつ、ザ・シンフォニーホールに向かった。

何を感じたか

古びたホール

入ってすぐにかなり古いホールだと感じた。それもそのはずで、1982年に完成した*1とのことだ。客席に座ると少し窮屈だったが座り心地は問題ない。人の入りが少なく、隣席どころか1列誰もいないので、荷物を横に置く。隣に人がいるとちょっと窮屈だろう。観客の数は多く見積もってもホール定員の1/4程度だろうか。若い人はほとんどいない。オケの経営が気になるところである。自席でチラシに手を伸ばした瞬間、舞台裏での金管の音出しの音が聞こえた。しかもかなり強烈にだ。雰囲気ぶち壊しだなあと思うが、周りが全く動じていないところを見るといつものことらしい。古いので防音が甘いのだろう。 そして公演のパンフレットを見ると今日の公演内容とは違う曲目が目に入って、チケットを買い間違えたかと思い焦る。よくよく見ると2公演分のパンフレットを1冊に収めているらしい。世知辛い。

違和感

いざ、時間となり、諸注意の放送の後、ブザーが鳴る。ぱらぱらと申し訳なさそうにオケの団員が姿を現す。もうちょっと堂々と入ってこれはいいのに…。そういえば、拍手が起きない、なぜだ…? 公演後調べたところ、地元の札幌交響楽団では団員さんが入場するときも拍手するのが一般的だが、これは札響特有の文化らしい*2。 団員は仲良さげ。舞台上でおしゃべりしている人もいる。ここでちょっと怪しさを感じる。 コンマスが出てくる。ここでやっと拍手。チューニングを行い、そして指揮者が出てくる。盛大に拍手。 新型コロナの流行中なので、指揮者とコンマスがにこやかに腕を合わせる。

久しぶりのオケ

一曲目は変奏曲。弦は悪くない。木管もそこまで悪くないが、Flが怪しい。金管は全体的にアレ?って感じだった。終わってみればこの変奏曲が一番よかったように感じる。指揮はよく研究しているという印象を受け、飽きさせない見事な構成だった。まあ近くのおじいさんたちは寝ていたが。

二曲目、コンチェルト。ソリストの前に譜面台。まあ、外国人が来日できなくて、代理のソリストなので、仕方ないところではある。難易度が高い曲にも関わらず見事な演奏であった。ところどころ足でリズムをとっていて、その足音が響きわたっていたのが気になったが…。相変わらず特定の楽器がいまいち。チケットを買ったことを後悔し始めたが、あくまでもメインを聞くまで判定を下さないということを心に誓い、我慢。演奏が終わり拍手していると、舞台上で団員がおしゃべり。演奏以前の問題として舞台上でおしゃべりするのは…?と思っていると休憩に入る。

休憩時間~思い出

僕が札幌でオケのコンサートに行ってた時期と札響が経営危機を乗り越えて成長していた時期は重なると思う。ちょうど尾高さんが音楽監督、高関さんが正指揮者、そしてラドミル・エリシュカが客演で来ていた時期だ。Kitaraというホールにも恵まれた。*3演奏も安定していて、多少のミスはあれど、特定の楽器が気になることはなかった。基本安い席だったので、オケからは遠かったけれど、聞いていて楽しかった。そんなことを回想しつつ休憩時間を過ごしていると、舞台上で音出しや次の曲の練習をする管楽器がちらほら…。そのフレーズ、難しいのはわかるけど、休憩時間に舞台上で練習するのはどうなの…?

本日のメイン

やはりFlが怪しい。どう考えてもトップよりセカンドの方がいい音を出している。トップを入れ替えてほしい。Trpは相変わらず音質がうるさい。どっかの軍楽隊かなという感じである。Hrも音程が…。結構好きな曲なのに残念な音が同じ楽器から出続けて集中できない。この公演に来たことを後悔しないようにすることをあきらめた。集中しかけた瞬間にアレな音が聞こえてげんなりする。そして演奏会が終わる。日本人らしく拍手するが、心中は穏やかではない。正直、3楽章あたりで帰りたかった。

帰り道の思考

関西のオケのレベルが低いのか、たまたまアレな公演を引き当てたのか、それとも昔の記憶が美化されているだけなのか。やはりほかのオケも聞かなきゃならないと思いながら、ほかのオケの公演の情報を探し行きたいものをピックアップした。

橋本元市長の主張に大阪に4つもオケは必要ないというものがあったが、都市圏の人口規模*4からすれば4つぐらい*5は共存可能だと思っていた。しかし、この公演を聞いてそれは覆ることになる。正直なところをいうと日本のプロオケでこのレベルの演奏が存在するのかという衝撃を受けた。

また、舞台上の態度もプロとしていかがなものかというものが多かった。前述のように舞台上での会話が多い。1公演見るだけで人間関係が少しわかるが、そんなのは知りたくもない。仲がいいオケなんだろうなあとは思うが、別に観客にとってはそんなことはどうでもいいのである。アマチュアとは違う、上手なオケを聴きたいだけなのである。プロの雰囲気を大事にしてほしいと感じる。

冷静になって

とりあえず、ほかのオケを聞いてみようと思った。 ネット上の情報はあてにならない。自分の耳できっちり聴いてみようと思う。

*1:ザ・シンフォニーホール - Wikipedia

*2: 札幌交響楽団:「ホクレンクラシックスペシャル」東京公演 会心の名演奏 - 毎日新聞

*3:kitaraはアマチュアの奏者として使ったこともあるが、楽屋もきれいで使いやすい構造だった

*4:50km都市圏で言えば大阪は1600万人程度になる。東京の半分程度だろうか

*5:正確に言えば京都とPACを合わせて6個だろうか