機械設計関係文献まとめ
機械設計に関する書籍・Webサイトの個人的まとめです。適宜更新します。 私自身は前職も今の職も内燃機関あたりで開発->設計という職歴ですが、 必要になる知識は設計する機械や部位によって大きな隔たりがあるので、あくまで参考です。 CFDなんかの数値解析関係とエンジン関係は別記事でまとめます。
製図関係
JISにもとづく標準製図法
大学2年生からお世話になっています。 図面の書き方に迷ったらこれを見ることが多いですね。 「常に最新版を持っておくべき」と今の職場の転職組の先輩に言われて それもそうだなと思い、最近13版から15版に更新しました。 www.ohmsha.co.jp
幾何公差の使い方・表し方
「幾何公差わからん!」となったら見る本。
文章最低限で図が多く、ぱっと見て理解できる良書です。
便覧
JISにもどづく機械設計便覧
定番の一冊。設計の人は大体持っているような気がします。
まあ、なくてもなんとでもなるけれど、私はあったほうが楽だなあと感じることが多いですね。
若手の所有率は低いように思えます。ついに私の課の若手は全員持つようになりました。
設計部署でも大手メーカーの設計しない設計部(ex. 前職)の正社員は持っていなかったり。
基本的にはJIS規格の抜粋です。
https://shop.ohmsha.co.jp/shopdetail/000000004416/shop.ohmsha.co.jp
機械工学必携
ここに挙げた便覧の中で、一番ものづくりの役に立てようと頑張って編集されている気がします。
個人的には、機械用工業材料と機械工作法の章をよく使います。
dictionary.sanseido-publ.co.jp
機械工学便覧
人類の英知が詰まっている。会社のPCに入れとくだけで役に立つのでおすすめです。
規格の一覧ではなく、機械工学の各分野の専門書を濃縮させたイメージです。
これのエッセンス版が機械実用便覧な気がしています。
プラント配管ポケットブック
本来プラントを設計する人のための便覧。
配管を設計する人ならもっておいても損はないかなと思います。
流体を扱う機械なら配管があるので、持っておくとすぐに情報が引けて便利です。
配管やフランジのサイズの他、溶接棒やフランジボルトのサイズなんかも一覧で記載があります。
ただ、内容がちょっと古い箇所があるのが難点ですね。
pub.nikkan.co.jp
機械要素
増補 ねじ締結概論
職場の人が持ってたのを見て一通り勉強した。
ボルトの選定を根拠をもってできるようになる1冊。
大学レベルの知識があれば難なく読めるはずです。
加工法関係
MISUMI板金部品加工限界
正直、加工限界とかよくわかってないので、これで当たりをつけている。 cp.misumi.jp
設計者必携! 板金設計がマスターできる絵辞書
ついてきなぁ!シリーズの著者である國井さんの連載。
アマダの技術サイト
ヤバそうな曲げがあるときは一応これを見て加工できるか見ている。 最近厚板の曲げが多いもんで…。 www.ai-link.ne.jp
熱処理技術マニュアル
前職で研修かなんかで配られた本。前職では全く役に立たなかったけれど、いまは本当に役に立っている。
その他
しぶちょー技術研究所
工作機械メーカーの設計技術者さんのサイト。 サクッと読めて、ためになる記事が多い。
Wicの中から
機構設計者さんのサイト。 今の会社に来て設計検討をまともにやりだしたとき、困ったときに見つけたサイト。 設計のポイントやCADのノウハウから設計あるあるなど初心者のためになる記事がたくさん。
改訂履歴
2022/7/12 便覧を追記
とある会社でのCantera導入メモ
化学反応計算ソフトCanteraを会社で導入したときのメモ
前提条件
- Windows10
- プロキシあり
- Pythonから使う
CanteraはMatlabやC/C++、挙句の果てにはFotranからでも使えるが 使いやすいPythonで計算できるよう環境を構築する。 Fotranの環境を作るより簡単だと思う。
ゴール地点
- CanteraをPythonから使えるようにする
導入手順
Python(anaconda)を入れる
参考は以下
Windowsであれば、インストーラをつかえば問題ないはず。
anacondaのプロキシ設定をする
参考は以下
proxyかんでる社内環境でpip/anacondaを動かすときに注意事項。
必要なパッケージのインストールを行う
これで動くはず。 プロキシの設定がうまくいっていないとパッケージインストールができないので設定を見直す。
転職して4カ月
転職しましたので、その覚書です。 1年後、自分がこの文章を見てどう思うかなあ…。
経緯
病が流行る中、ぎりぎりのタイミングで転職をしました。 上司の言動に限界を感じ、転職活動を始めたのが昨年の12月。 そこそこの機械メーカーに在職中とはいえ、入社2年で転職するという人間に声がかかるわけがありませんでした。 特に開発職とはいえ、やってきたのは現場作業や設備保守ばかりで設計のスキルがほとんどなく、非常に苦労しました。 よほど人手不足なのか化学メーカーの機械系職種なんかには受けが良かったのでそちらにしようかとも思いましたが、 コロナが流行る直前の3月に機械メーカーである現職に内定を頂き、会社を移ることにしました。
前職の仕事内容
総合機械メーカーに新卒で入社し、先行開発を担う部署で内燃機関のブレイクスルーを狙った要素開発を行うチームに配属されました。 チーム構成は入社15年ぐらいのPM、若手の先輩が2人、設計・CADオペを兼任する派遣の方(途中で交代)でしたが、 先輩のうち1人は他チームへ引き抜かれ、もう1人はうつで休職し、最終的には私とPMと派遣の方の3人になりました。 このプロイジェクトは10年以上形を変えながらぐだぐだと存続しており、具体的なグランドプランが存在せず、 PMが思いつきのまま、年初に決まった設備の使用枠に間に合うよう急いで実験用部品を作り、実験を行い、結果が良くないとデータごと破棄されるという恐ろしい状態でした。 昔から「思いつきで手当たり次第実験->実験自体もうまくいかないことが多い->主観による実験結果評価(もしくは評価しない)->都合の悪いデータがなくなる」というサイクルだったらしく、 あまりデータの蓄積もない残念なプロジェクトでした。 このプロジェクトに加えて、試験設備の更新工事の管理や消耗品の発注なども私の仕事でした。
なぜ転職したのか
当時のメモを見返しながら...
- 40代上司(PM・管理職、以下A氏)との関係が悪化し、無視され、仕事がなくなった。
- 職種は開発だったが、仕事の大半が試験の準備作業や試験設備操作、部品発注であり、技術者として成長できていなかった。
- 開発プロジェクトが成果が出ないまま、ずるずると続いてしまい、今後数年このプロジェクトから抜けられなさそうだった。
- 自分の関わった技術の製品を世に出したかった。
1つ目、直接の上長であるA氏との関係が悪化し、1月あたりから仕事がなくなり、部署の雑用や他チームの解析を請け負ったりして糊口をしのぎました。 開発費が激減し、A氏の機嫌もよくない中、杜撰な開発に振り回された私が我慢できず、ついにキレてしまったのが主因です。謝りましたが後の祭りでした。 課長にもたびたび訴えたのですが、「我慢しろ」としか言われなかったのは残念ですね。 A氏の下で精神を病んだ先輩も再びA氏の下に戻るのを恐れたのか、私の仕事を奪っていってしまいました。
2つ目、正社員は図面をできるだけ書くなというのが部門の方針でした。設計検討なんかもほとんど派遣の人にに丸投げでした。 そのかわり、側溝掃除とか、厳しい納期の試験部品の業者探し、道に迷ったタンクローリーの捜索や装置組み立てが私の仕事でしたね。
3つ目、A氏は入社以来このプロジェクト担当でした。彼はすごく自信家で、人の言うことは聞かなかったのですが、まあ成果は出ていませんでしたね。 本部長との面談時にA氏を説得してプロジェクトの方針を転換してくれと言われたので相当アレだったのかなあと。2年目社員にそんなこと言わないで欲しい。
4つ目、たとえ開発が成功しても、その製品分野ではTier1またはTier2だったため、 製品が世に出るかは五分よりも悪い率だったように思えました。 1つでもいいから技術者人生、製品を世に出したいという思いがありました。
A氏ですが、自分の言動を忘れ朝令暮改が多く、論理性に欠けており、人とのコミュニケーションもうまくいってなかったので 本人は気が付いていないと思いますが何らかの問題を抱えていた可能性が高いなあと今では思います。 まあ、いろいろ理由はあれど、最終的にはストレスで体調に異変があったので、転職活動を始めた感じですね。
転職してどうだったか
現職のいいところ
- 激しい人(感情で動くタイプ)が少ない
- 論理的に仕事が回ることが多い
- 仕事の8割が設計なので機械系技術者としての広範なスキルが身に付く
- 小さな市場ではあるが、世界トップシェアなので、世界で戦う実感がある
- 完成品メーカーなので市場と近く、いい情報も悪い情報も早く届く
- 人を育てる文化がある
- 待遇が前職よりは良い・フレックスが使える
- 自分の関わった製品が世の中に出る
個人的には機械図面を引く量が圧倒的に増えたのが良かったと感じています。 あと、いろんなところから転職してきた人がいて、面白いですね
現職のいまいちなところ
- とらでぃしょなるなメーカーなのでIT化が遅れている(前職よりはまともですが…)
- 真面目な人が多く、めんどい制度を作りたがり、それをきっちり守る
- 規模と比較すると技術者の数が少ない
- 品質関係部署がいまいち
- 居室が古い建物にあり、トイレの数が少ない
トイレの数、大事。
前職のいいところ
- 有名大学出身の技術職が多く、全体的な技術レベルは高い
- 売上規模に対して技術者の数が多い(ただし、仕事は平準化されていない)
- 現場の人に真面目な人が多い
- 品証部門が機能している
- 国の補助金を取るのがうまく、開発費をうまいこと捻出できていた
- 企業の規模の割にネームバリューがある
1つだけ言えるのは、逃げるのも悪くないということです。 例えうつになっても会社は何もしてくれませんので、体や心を壊される前に逃げるのがおすすめです。
2020年の資格取得目標・2019年の振り返り
2019年取得資格
- 高圧ガス製造保安責任者(乙種機械)
- 計算力学技術者(熱流体2級)
少ないなあ…(笑) まあ、精神的にかなり参っていたので仕方がない 高圧ガスについては仕事では必要なかったが、近いものを取り扱っているので一応取得した。 これに関しては、非常に良い勉強になったので、高圧の設備なんかを使って試験している開発の若手は取ってもいいかもしれない。 機械系の大学を出ている人が1か月勉強すれば何とかなるレベルだと思う。 計算力学は仕事で商用のCFDを導入したのもあって取得したが、 CFDが大好きな先輩に仕事を取られてしまい、ほとんど触ることがなかった。 試験のレベルとしてはそこまで難しくない。 が、忘年会の次の日の実施で二日酔いで気分が悪くつらい戦いだった()
2020年目標
夏前に転職(設計開発->設計開発)することもあり、以下を目標にしようかと思う。
- エネルギー管理士(熱)
- 公害防止管理者(大気関係)
- 数値力学技術者(熱流体1級燃焼流)
結局燃焼からは逃げられなかった模様…。燃焼楽しいし、仕方ないか…。 今まではかなり規制が緩い分野だったので、あまり環境とかを意識しなくてもよかったのだけれど、 第二新卒にも関わらず拾ってくれたところでは、かなりこの辺の規制が厳しい製品の開発をするみたいなので、 この辺を勉強しようかなと思う(一応北海道に戻る布石でもある)
Torque構築メモ
Linuxマシンにジョブスケジューラーなるものを導入したのでメモ。
とりあえず参考URL
https://heavywatal.github.io/dev/torque.html
そんでもって、ひっかっかったのは
host nameの解決とnodesの置き場所。
ネットでは
/etc/torque/nodes
というのが多いのだが、動かないので以下に置いた。
/var/spool/torque/server_priv/nodes
これで解決した。
まだ、ジョブクラスごとに最大のリソースとかを設定できてないので
地味に使いづらいことになっている。
今後、改善予定。
OpenFOAMの日本語資料
OpenFOAMのマニュアルなどが日本語訳されていて
大変ありがたいことにタダでダウンロードできたのでメモ。
オープンCAE学会というところが出しているらしい。
http://www.opencae.or.jp/activity/translation/
ちょっとバージョンが古いが中身をぱっと見ると使えそうな雰囲気。
本なんかも出している。
勉強会なんかもあるようでその資料が公開されている。
http://www.opencae.or.jp/activity/information_resource/
勉強会のアーカイブは後でフォローしていきたい…。無理か…。
openFOAM チュートリアル pisoFoam, pitzDaily
openFOAMについては完全に専門外なので
チュートリアルから始めていくことにした。
個人的には流体解析にしか興味がないのと、
圧縮性流体に関する知識が頭から吹き飛んでいるので
非圧縮のチュートリアルの中からチョイス。
その時参考にしたのがこちら。
https://sites.google.com/site/freshtamanegi/home/openfoam/tutorial
こういうものを日本語で作ってくださるのは非常にありがたい。感謝。
/opt/openfoam/incompressible/pisoFoam/les/pitzDaily/
こいつを適当なディレクトリにコピー。
cp -r /opt/openfoam/incompressible/pisoFoam/les/pitzDaily/ /hoge
CFDをやるようになってから知ったのだが「hoge」というのは
必要なものを入れてくださいという意味らしい。
(専門が機械なのでどうもこういうことには疎い。)
そんで解析ディレクトリ(/hoge/pitzDaily)に移動。
その中で以下のようにコマンドを打つ。
blockMesh > Mesh.log & pisoFoam > main.log &
blockMeshはメッシュの作成コマンド。
pisoFoamがメインソルバーでの実行コマンド。
pisoFoamは圧力と速度のカップリングにPISO法を使うものらしい。
個人的にはあまりPISO法にはなじみがない…。
ここでは一応計算のログを別のファイルにとるようにしている。
計算は以下のような環境で行った。
CPU : AMD Athlon 5350
メモリ : 8GB
並列数1で計算時間は24分程度だった。