転職して4カ月
転職しましたので、その覚書です。 1年後、自分がこの文章を見てどう思うかなあ…。
経緯
病が流行る中、ぎりぎりのタイミングで転職をしました。 上司の言動に限界を感じ、転職活動を始めたのが昨年の12月。 そこそこの機械メーカーに在職中とはいえ、入社2年で転職するという人間に声がかかるわけがありませんでした。 特に開発職とはいえ、やってきたのは現場作業や設備保守ばかりで設計のスキルがほとんどなく、非常に苦労しました。 よほど人手不足なのか化学メーカーの機械系職種なんかには受けが良かったのでそちらにしようかとも思いましたが、 コロナが流行る直前の3月に機械メーカーである現職に内定を頂き、会社を移ることにしました。
前職の仕事内容
総合機械メーカーに新卒で入社し、先行開発を担う部署で内燃機関のブレイクスルーを狙った要素開発を行うチームに配属されました。 チーム構成は入社15年ぐらいのPM、若手の先輩が2人、設計・CADオペを兼任する派遣の方(途中で交代)でしたが、 先輩のうち1人は他チームへ引き抜かれ、もう1人はうつで休職し、最終的には私とPMと派遣の方の3人になりました。 このプロイジェクトは10年以上形を変えながらぐだぐだと存続しており、具体的なグランドプランが存在せず、 PMが思いつきのまま、年初に決まった設備の使用枠に間に合うよう急いで実験用部品を作り、実験を行い、結果が良くないとデータごと破棄されるという恐ろしい状態でした。 昔から「思いつきで手当たり次第実験->実験自体もうまくいかないことが多い->主観による実験結果評価(もしくは評価しない)->都合の悪いデータがなくなる」というサイクルだったらしく、 あまりデータの蓄積もない残念なプロジェクトでした。 このプロジェクトに加えて、試験設備の更新工事の管理や消耗品の発注なども私の仕事でした。
なぜ転職したのか
当時のメモを見返しながら...
- 40代上司(PM・管理職、以下A氏)との関係が悪化し、無視され、仕事がなくなった。
- 職種は開発だったが、仕事の大半が試験の準備作業や試験設備操作、部品発注であり、技術者として成長できていなかった。
- 開発プロジェクトが成果が出ないまま、ずるずると続いてしまい、今後数年このプロジェクトから抜けられなさそうだった。
- 自分の関わった技術の製品を世に出したかった。
1つ目、直接の上長であるA氏との関係が悪化し、1月あたりから仕事がなくなり、部署の雑用や他チームの解析を請け負ったりして糊口をしのぎました。 開発費が激減し、A氏の機嫌もよくない中、杜撰な開発に振り回された私が我慢できず、ついにキレてしまったのが主因です。謝りましたが後の祭りでした。 課長にもたびたび訴えたのですが、「我慢しろ」としか言われなかったのは残念ですね。 A氏の下で精神を病んだ先輩も再びA氏の下に戻るのを恐れたのか、私の仕事を奪っていってしまいました。
2つ目、正社員は図面をできるだけ書くなというのが部門の方針でした。設計検討なんかもほとんど派遣の人にに丸投げでした。 そのかわり、側溝掃除とか、厳しい納期の試験部品の業者探し、道に迷ったタンクローリーの捜索や装置組み立てが私の仕事でしたね。
3つ目、A氏は入社以来このプロジェクト担当でした。彼はすごく自信家で、人の言うことは聞かなかったのですが、まあ成果は出ていませんでしたね。 本部長との面談時にA氏を説得してプロジェクトの方針を転換してくれと言われたので相当アレだったのかなあと。2年目社員にそんなこと言わないで欲しい。
4つ目、たとえ開発が成功しても、その製品分野ではTier1またはTier2だったため、 製品が世に出るかは五分よりも悪い率だったように思えました。 1つでもいいから技術者人生、製品を世に出したいという思いがありました。
A氏ですが、自分の言動を忘れ朝令暮改が多く、論理性に欠けており、人とのコミュニケーションもうまくいってなかったので 本人は気が付いていないと思いますが何らかの問題を抱えていた可能性が高いなあと今では思います。 まあ、いろいろ理由はあれど、最終的にはストレスで体調に異変があったので、転職活動を始めた感じですね。
転職してどうだったか
現職のいいところ
- 激しい人(感情で動くタイプ)が少ない
- 論理的に仕事が回ることが多い
- 仕事の8割が設計なので機械系技術者としての広範なスキルが身に付く
- 小さな市場ではあるが、世界トップシェアなので、世界で戦う実感がある
- 完成品メーカーなので市場と近く、いい情報も悪い情報も早く届く
- 人を育てる文化がある
- 待遇が前職よりは良い・フレックスが使える
- 自分の関わった製品が世の中に出る
個人的には機械図面を引く量が圧倒的に増えたのが良かったと感じています。 あと、いろんなところから転職してきた人がいて、面白いですね
現職のいまいちなところ
- とらでぃしょなるなメーカーなのでIT化が遅れている(前職よりはまともですが…)
- 真面目な人が多く、めんどい制度を作りたがり、それをきっちり守る
- 規模と比較すると技術者の数が少ない
- 品質関係部署がいまいち
- 居室が古い建物にあり、トイレの数が少ない
トイレの数、大事。
前職のいいところ
- 有名大学出身の技術職が多く、全体的な技術レベルは高い
- 売上規模に対して技術者の数が多い(ただし、仕事は平準化されていない)
- 現場の人に真面目な人が多い
- 品証部門が機能している
- 国の補助金を取るのがうまく、開発費をうまいこと捻出できていた
- 企業の規模の割にネームバリューがある
1つだけ言えるのは、逃げるのも悪くないということです。 例えうつになっても会社は何もしてくれませんので、体や心を壊される前に逃げるのがおすすめです。